〈ストレスチェック〉大企業における「実施の難しさ」と解決のヒント

厚生労働省の発表によると、ストレスチェックの実施率や集団分析の実施・活用割合は、

事業場規模が大きくなるほど高い傾向にあります。

 

しかし、「集団分析の結果活用」となると、従業員数が300人以上の大規模な事業場であっても

約8割程度にとどまっているのが現状です。

 

参考:厚生労働省 令和6年 全国安全衛生調査 結果の概要

 

 

集団分析の結果を活かしきれない背景には、どのようなハードルがあるのでしょうか?

 

今回は、私たち「こころ塾」がこれまで受託実施してきた中で見えてきた、

大企業ならではの「実施の難しさ」と解決のヒントをお伝えします。

 

☆大規模事業所における、ストレスチェック集団分析の壁

 

1. 「分析集団」の切り出し方が難しい

規模が大きい企業ほど、分析を行う集団(部署など)の区切り方に悩まされます。

・集団を大きくしすぎる: 組織全体の傾向は大まかに分かっても、具体的な課題が見えづらくなる。

・集団を細かく分けすぎる: 集団の数が膨大になり、一つひとつの結果を丁寧に分析・フォローするのが難しくなる。

 

2. 全社への案内・周知が浸透しにくい

組織の階層が多くなると、労働者一人ひとりへのメッセージの浸透が難しくなります。

「全社メールや掲示板でアナウンスしたから大丈夫」と思っていても、

現場まで情報が届いていなかったり、重要性が伝わっていなかったりするケースが少なくありません。

 

3. 実施にかかる「事務手間の肥大化」

対象者の情報整理だけでも一苦労ですが、例えば「紙での受検」の場合は調査票の配布・回収など、

実施事務従事者の手間や負担が大きくなります。

また、複数拠点で同時に実施する場合、本社の担当者だけで対応するのは困難です。

 


☆大規模事業所における、スムーズに実施するためのポイント

 

スムーズな実施と活用に向けた「次の一手」

大規模企業がストレスチェックを形骸化させず、組織改善につなげるためには以下の2つの視点が大切です。

 

・体制の強化(複数人の選任)

特に複数拠点がある場合は、拠点ごとに「実施事務従事者」を選任することで、

アナウンスや回収の手間が分散され、スムーズに進行しやすくなります。

 

・周知方法の工夫

『なぜ積極的に取り組むのか』を、「義務だから」ではなく、

「従業員の皆さんが心身ともに元気に、長く活躍してほしいから、そのために役立てます」

というメッセージを明文化して、事業場の重要な取り組みとして発信しましょう。

 

「出口」から逆算した集団設定

集団分析のグループを決める時は、「結果が出た後、どのような改善アクションを起こすか?」という

次のステップ(活用方法)をはじめにイメージしておくことです。それが、自社に最適な集団の切り出し方

のヒントになります。

部署月、年代別、役職の有無など、感じている課題に合わせた設定もよいですし、

経年変化を追いやすいように設定するのもよいでしょう。『活用ありき』で検討してみてください。

 

 

 

まずは、全社へ漏れなく周知できる体制づくりから一歩ずつ進めていきましょう!


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ストレスチェック制度実施義務の対象事業所が、常時50人以上の従業員を労働者を雇用する事業場から、50人未満も含むすべての事業場に拡大されます。

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